星 霜



退職してから、早5年。

退職したのは、母の介護のためであって、思った以上に母の一挙手一投足に、悩んだり、励まされたり、地団駄踏んだり、激怒したり・・・。

日に日に衰えていく母を見ながら、あと何年続くのだろうと絶望した日もあったが、退職してから約1ヶ月後、母はあっけなくこの世を去った。

近親者に亡くなった方がいるとわかると思うが、49日が終わるまでは忙殺の日々。
父はすでに他界しており、兄弟姉妹もいない一人っ子の私はすべての後始末をしなければならなかった。(この後始末は現在も一部進行中である)
兄弟姉妹もいないが、夫もいないしもちろん子供もいない。本当に独りになったのだ。

父の7回忌を終え、母の3回忌も済ませ、退職金と幾ばくかの遺産を食い潰しながら生活している日々が続いている。

ハンドメイドが好きな私は、張り切ってあれやこれやハンドメイドを始めた。
在職中は、なかなか踏み込めなかったものや、興味があっても手を出さなかったものなど パッチワーク(これは30年くらいやっていた)、編み物、クロスステッチ刺繍、レジン、ビーズetc

元々の性格のせいなのだろうか、よく言えば好奇心旺盛、悪くいえばあきっぽい。

今はペーパークイリングという、細い紙をくるくる巻いて作るアート作品を作っている。

詳しく説明すると、細く切った紙(主流は幅3o)をクルクルと巻いて、その渦の美しさを活かしながら好きなカタチをつくっていく。
その起源は中東で栄えた金銀線細工がはじまりという説や、中世ヨーロッパの修道女が当時貴重だった金糸を鳥の羽に巻き付けて、宗教画の縁を装飾したのが始まりなど、色々ないわれがあり、現在でもヨーロッパ、アメリカ、ロシアなどで盛んに行われている。

日本ではまだまだマイナーな手仕事だと思う。
とりあえず一通りの家事を終えたら紙をくるくるし始める。その合間に畑へ出向いて家庭菜園の手入れをしたり(なんちゃってファーマーなので真剣にはやらないが)、飽きたらスマホでゲームをし、横目で2時間ドラマを見る。そしてまた紙を出してきてはあれやこれや悩みながら紙を巻き、それに飽きたらクロスステッチ刺繍を刺す。昼寝も猫の相手もする(何せ20匹いるので、相手をする猫には事欠かない)。

こうして毎日、毎週、毎月、そして毎年が過ぎていく。。。



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